ご挨拶
このたび、2025年度 認定臨床栄養医研修会を開催させていただくこととなりました。本セミナーは、日本臨床栄養学会により主催され、社会的ニーズでもある、疾病の予防と
診療に必要な栄養に関する総合的な知識と技量を有する優れた医師の育成を目的としています。平成20年度より日本臨床栄養学会認定臨床栄養医制度が設立され、そのための教育
的企画として、研修会を実施いたします。さて、今回のテーマは「2025年度版 日本人の食事摂取基準 実践に向けて」とさせていただきました。
皆様ご承知のように昨年末から今年にかけて、「日本人の食事摂取基準(2025年版」」が閲覧可能な状態になっておりました。この度その最終決定となったということで、このようなセミナーを企画いたしました。「日本人の食事摂取基準」は2020年版から5年ぶり
の改訂となりました。骨格は総論として食事摂取基準のエッセンスである推定平均必要量、推奨量、目安量、耐容上限量、目標量などの考え方を明らかにしたうえで、各論として各種栄養素についての基準、さらに対象特性として、妊婦、乳・小児、高齢者に関する記
載、生活習慣病の発症、進展予防のための食事摂取の考え方について記載されています。今回の研修会では残念ながら、すべてを網羅することは不可能でしたので、重要な総論としての基準策定に関する方向性、各論で最も記載の多いビタミン・ミネラル、そして生活
習慣病に関する記載について脂質異常症、慢性腎臓病、糖尿病に関して作成委員の先生から講義いただく企画とさせていただきました。それぞれ、瀧本 秀美先生(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 理事 兼 国立健康・栄養研究所長)、吉田宗弘先生(関西大学化学生命工学部生命・生物工学科名誉教授/特別契約教授)、吉田博先生(学校法人慈
恵大学理事/東京慈恵会医科大学附属柏病院院長)、細島 康宏先生(新潟大学 大学院医歯学総合研究科 腎研究センター 病態栄養学講座)、久米真司先生(滋賀医科大学内科学講座糖尿病内分泌・腎臓内科教授)の先生方にお願いいたしております。「日本人の食事摂取基準」は、健康人のためのみならず、臨床栄養学にとっても1丁目1番地となるデータ
と思われます。きっと皆さまの明日の臨床のお役に立つことと思います。
最後に、本セミナーの開催にあたって、ご登壇を快諾いただきました諸先生方、事務局として運営にご尽力をくださった日本臨床栄養学会事務局 株式会社コンパス 鴻和子様に改めて深謝申し上げます。