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理事長挨拶

 理事長    白井 厚治

理事長 白井 厚治  日本臨床栄養学会は、医療現場で栄養学を駆使し、病気の治療あるいは、予防を目的に設立され、今まで34年間、いわゆる栄養失調、欠乏症などを中心に数多くの成果をあげてきました。このように伝統があり、また重要な使命を担ってきた学会の理事長に選任された責任を重く受け止めています。
 問題は、今、食物が十分に満たされたかにみえる世界において、果たして栄養学は必要かということです。その目で眺めなおしてみると、過食による肥満に伴う様々な病気の発生、一方、痩せ願望、偏食、高齢化による筋肉減少症、また長期慢性疾患(癌、呼吸器疾患、リウマチ様関節炎)での羸痩、栄養不良の増加、病棟における栄養管理の不適切さなど、無視できない問題が、山積していることに気づきます。また、臨床で用いられている栄養関連指針も根拠があいまいなまま、50年以上踏襲されていたり、また一旦出した食事箋についてフィードバックを掛け、見直してゆくことが習慣化されていない臨床現場には、疑問を持たざるを得ません。木を観て森を見ず、あるいは、各論優先の栄養管理の見直しも必要と思います。改めて今、時代に即した臨床栄養学の再構築、即ち、食事療法の内容と体制の見直しを図る時期に来ていると思われます。

それには、

  1. 栄養処方箋において、栄養アセスメントと体組成を調整することを優先した総エネルギー、蛋白脂質糖質組成の決定と、その修正を行えるフィードバックシステムの定着化
  2. 病棟、外来における栄養学的巡視を常時行い、そこでは、栄養士が主体的に活躍できる体制つくり
  3. 上記体制を理解、指導できる医師の人材育成、

 が、いま本会に求められている使命と思われます。まずは、これらが円滑に行われるチーム医療のモデル拠点づくりから始めたいと思います。
 ここに新ためて、会員の諸先生方のご理解と、ご活躍をお願いする次第です。